広島県東広島市八本松町原6769

電話: 082-429-0255

FAX: 082-429-0277

予防接種

インフルエンザワクチン

インフルエンザとは

インフルエンザ(インフルエンザウイルス感染症)は毎年冬から春先に流行し、高熱と咳や喉の痛み、節々の痛みなどの症状がでる病気です。重症化すると脳炎や肺炎を起こし、命に関わることもあります。普通の風邪よりも感染力が強く、くしゃみや咳による飛沫感染、手についた唾液などを解する接触感染などで、どんどん広がっていきます。

インフルエンザワクチンの役割

インフルエンザワクチンはインフルエンザの発症予防や重症化予防に重要な役割を果たしています。但しインフルエンザワクチンは感染自体を防ぐものではありません。喉や鼻にウイルスが侵入してしまっても、ウイルスの増殖を抑え、発熱や喉の痛みなどの症状が出ないように働き、その結果重症化を防ぐ効果があります。

日本ではインフルエンザワクチンの接種は、流行期前の秋から冬にかけて行われています。ワクチン接種後、効果が出るまでに最低2週間はかかり、またその効果が5ヶ月程度持続するため、接種は早すぎても遅すぎてもいけません。

ワクチンの中身の決まり方

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型のタイプがあり、ヒトではA型とB型が大きな流行の原因となるため重要になります。A型、B型のなかにもAソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、Bビクトリア系統等、細かい分類があり、それぞれの「株」に対応したワクチンでなければ効果がありません。そのため世界の流行をWHO(世界保健機関)が分析し、そのデータを元に国立感染症研究所が日本で流行しそうな株を検討し、その年に接種するワクチンの中身を決めています。毎年流行する株が変わるため、去年インフルエンザワクチンを打ったからといって今年は打たなくても大丈夫、ということにはなりません。

接種が勧められる方

インフルエンザワクチンの一番の目的は重症化を防ぐことです。日本では、インフルエンザワクチンの接種はすべての年齢層に推奨されていますが、特に以下の人々が優先されます。

  1. 65歳以上の方: 高齢者はインフルエンザに感染すると重症化する可能性が高いため、毎年接種することが強く勧められます。
  2. 持病のある方: 心臓病、糖尿病、呼吸器疾患などの慢性的な持病を持つ人々も、重症化する可能性が高いため接種が勧められます。
  3. 医療従事者: 患者と接する機会が多い医療従事者は、感染リスクが高いため、毎年接種すること勧められます。
  4. 妊婦および乳幼児: 妊婦は自身と胎児の健康を守るために接種が勧められます。妊娠期間中のインフルエンザワクチンは全ての時期で安全と言われています。また胎盤を介して赤ちゃんにも抗体が送られるため、生まれた直後の赤ちゃんの感染予防にも繋がります。乳幼児は免疫力が低く重症化しやすいため、同様に接種が勧められます。

なお13歳以上では1回の接種を行い、13歳未満は十分な免疫ができるためには2回の接種が必要です。

インフルエンザワクチンの安全性

日本で使用されているインフルエンザワクチンは、不活化ワクチンと呼ばれるタイプで、インフルエンザウイルスを化学処理で人体に感染力を持たない形にしたものです。ワクチン接種によりインフルエンザに感染することはありません。

ワクチンの副反応は一般的に軽度で、一時的なものであることが多いです。一般的な副反応としては、接種部位の痛み、発赤、腫れ、軽度の発熱や倦怠感などが挙げられます。重篤な副反応は稀ですが、アナフィラキシーなどのアレルギー反応が起こる可能性もあるため、接種後は短時間の経過観察が必要です。

◆ Contact

◆ Access

◆ Information

■住所

広島県東広島市八本松町原6769

■駐車場

当院専用の駐車場 15台まで駐車可

■電車・バスの場合

JR山陽本線(三原~岩国) 八本松駅から

・八松本駅~広島大学線(循環)

農業技術センターを下車、徒歩4分

JR山陽本線(三原~岩国) 西条駅から

・西条駅~吉川線(循環)中央公園前

原保育所を下車、徒歩1分

小児のワクチン

ワクチンは、子どもの健康を守るための重要な手段の一つです。これまでの人類の歴史では、多くの子どもが感染症で命を落としてきました。いまだに予防手段のない感染症もある中、一部の病気はワクチンによりかかりにくくなり、重症化を防げるようになりました。

日本では、以下のようなワクチンが推奨されています。

五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)

ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、ヒブ(インフルエンザ菌b型)の4種類の病気へのワクチンが混ざったものです。

ジフテリアは感染すると風邪のような症状から始まり、喉や気管に灰色の分厚い膜を形成し気道が閉塞してしまいます。無治療の場合は5-10%の方が亡くなります。

百日咳は激しい咳を伴い、1歳以下の子どもは呼吸ができなくなって命に関わることがあります。また感染力が非常につよいことも特徴です。

破傷風は傷口から破傷風菌が入り、様々な神経に作用します。全身の筋肉が硬くなり呼吸ができなくなって死に至ります。

ポリオはポリオウイルスが口から入り、腸に感染します。ウイルスが脊髄に侵入すると、手足に麻痺が起き一生残ってしまうことがあります。

インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別物です)感染症は、インフルエンザ菌がくしゃみや咳で感染し、1歳未満では命に関わるような敗血症や髄膜炎などを引き起こします。

麻疹・風疹混合ワクチン(MR)

麻疹は麻疹ウイルスによって高熱や咳、発疹などが出現する病気です。非常に感染力が強く、麻疹ウイルスへの免疫がない方は、感染者と接触するとほぼ100%発病します。肺炎や脳炎を合併すると死に至ることがあります。

風疹は風疹ウイルスによって高熱や発疹が出現する病気です。風疹の一番注意すべき点は妊娠中の感染です。妊娠中の女性が感染すると、赤ちゃんが障害をもって生まれる可能性があります。社会全体で風疹を流行させないことが重要です。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎は日本脳炎ウイルスにより発症する病気で、蚊を介して感染します。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発症し、20ー40%の方が死に至ります。改善したとしても意識障害や麻痺などの後遺症が残ることがあります。 

小児用肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌に感染するとその名の通り肺炎を起こし、中耳炎や髄膜炎なども合併します。髄膜炎を起こすと2%の子どもが亡くなり、生き残った子どもも10%に難聴や精神発達の遅れ、麻痺などの後遺症が残ります。

ロタウイルスワクチン

ロタウイルスは冬から春にかけて流行する胃腸炎のウイルスで、乳幼児では激しい嘔吐や下痢により脱水となり命に関わることがあります。

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン

ヒトパピローマウイルスは性交渉によって感染するウイルスで、子宮頸がんの原因の一つです。子宮頸がんは早ければ20代から発症しますが、初期では症状がないため、発見が遅れてしまうことが問題視されています。性的活動が始まる前にワクチンを打つことが重要です。

水痘ワクチン

水痘(水ぼうそう)は水痘・帯状疱疹ウイルスの感染によって発疹や発熱を起こす病気で、重症化すると髄膜炎や脳炎などの症状を引き起こし命に関わります。

B型肝炎ワクチン

B型肝炎ウイルスは体内に入ると、70%の人は症状なく終わりますが、30%の人は急激な肝炎を起こし、体のだるさや発熱などが出現します。その後もウイルスは肝臓に長く住み着き、炎症を起こし続け肝硬変や肝臓がんを起こすことがあります。

結核(BCG)ワクチン

結核菌が咳やくしゃみで感染し、発症すると半年以上の抗菌薬での治療が必要になります。放置していると菌が全身に広がり治癒が困難になります。

これらのワクチンは日本小児科学会が推奨するスケジュールにそって定期的に摂取することができます。またこれらのワクチン以外にも任意でインフルエンザウイルスや新型コロナウイルスのワクチンを摂取することもできます。

肺炎球菌ワクチン

肺炎は成人の死亡原因の第5位であり、そのうちの2-3割が肺炎球菌によるものと言われています。また小児では肺炎球菌に感染すると髄膜炎や菌血症と言った命に関わる状況に進行することもあります。

この様な細菌感染症を予防するために肺炎球菌ワクチンが開発され、世界的に使用されています。日本では、主に小児用の「15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)」と、高齢者用の「23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPSV23)」の2種類が使用されています。肺炎球菌には90以上の「型」がありますが、その中でもそれぞれの年代で重い病気を引き起こすことが多いタイプを選んでワクチンが作られています。

小児における肺炎球菌ワクチン

PCV15は、15種類の肺炎球菌の「型」に対する免疫をつけることができます。日本では2013年に定期接種が開始されました。このワクチンは特に2歳以下の子どもでの肺炎球菌感染症の重症化予防に効果的であり、細菌性髄膜炎や菌血症などの重篤な病気の発生を減少させることができます。接種スケジュールは、生後2か月から6か月の間に初回接種を開始し、4週間隔で3回、生後12-15か月ごろに4回目を接種します。細菌性髄膜炎にかかった子どもの半数以上が0歳の赤ちゃんであるため、可能な限り生後2か月から接種することが望まれます。

高齢者における肺炎球菌ワクチン

PPSV23は、23種類の肺炎球菌の「型」に対する免疫をつけてくれます。高齢者や慢性疾患を持つ人々に対して推奨されており、日本では65歳の方と、60歳から65歳未満の方で心臓や肺の病気を持った方を対象に、定期接種が行われています。肺炎は日本における死亡原因の第5位であり、命に関わる感染症です。中でも肺炎球菌は特に毒性の強い菌で、急激に状態が悪化することも珍しくありません。万が一治療がうまくいったとしても体力低下を招き、体がどんどん弱ってしまうため、予防が重要になります。

1回の接種で5年間効果が持続するといわれており、2回目は5年以上経過してから接種する必要があります。2024年現在、成人用の肺炎球菌ワクチンは初めて接種するときのみ費用の補助があることが多く(お住まいの市町村によって異なります)、2回目以降は全額自己負担となります。ただし1回の接種では時間とともに免疫が落ちるため、2回目の接種が推奨されています。3回目以降も効果があると言われていますが、副作用の方が強くなるケースもあり、かかりつけ医とよく相談して接種するようにしましょう。

肺炎球菌ワクチンの安全性

ワクチンの接種による副反応は一般的に軽度であり、注射部位に一時的な痛みや発赤、腫れが見られることがありますが、3〜4日で消えます。子どもの場合は、10%で38度以上の発熱がでることがありますが、1〜2日で治ることがほとんどです。万が一、機嫌が悪かったりぐったりする様子があれば医療機関を受診してください。

肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンであり、ワクチンに細菌そのものは含まれていないため肺炎球菌に感染する可能性はありません。

上部へスクロール